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SilverRainの水忌・風魔(b32238)と葛葉・狭霧(b58633)のブログです。 このキャラ2人が日常会話や日記を綴る、というコンセプトなのでその辺よろしくお願いします。                                                                          +*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+* このサイトに掲載されている作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。  イラストの使用権は私(管理人)に、著作権は『寛斎タケル氏』『悠貴氏』『濃茶氏』に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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※靖胤と狭霧の小さい頃のお話。10年以上前の冬、靖胤8歳、狭霧5歳ころ。

※ほのぼの。


広大な純和風屋敷があった。
季節はもう冬。木々は赤く染まるどころか既に葉が散り、どこか寂しさが漂っている。
その屋敷の縁側に、マフラーを巻いた二人の少年が腰をかけて空を眺めていた。
「っくしゅ」
可愛らしい小さなくしゃみとともに漆黒の髪の少年が身体を震わせた。
「大丈夫?…風邪、引いちゃ駄目だよ、狭霧。」
そう言って銀髪の少年は、狭霧と呼ばれた少年の顔を覗き込む。
狭霧に比べてだいぶ身長が高く顔もやや大人びていることから、年上なのであろうことは推測できる。
銀髪の少年は自分が巻いていたマフラーを外し狭霧の膝へとかけてやった。
「それに…、…冬なのに半ズボンは寒いよ。風邪引いちゃうよ。」
「……靖は、寒くないの?」
その言葉に銀髪の少年――靖胤は、にっこりと笑い、
「おれは大丈夫だよ。だって、半ズボンじゃないもの。」
と答えた。
確かに、靖胤は半ズボンではなかった。
しかし、和服を着ている。
狩衣のような上着に、丈が短めの袴。
…寒そうである。
「……ほんと?」
「ほ、本当だよ。だってほら、くしっ…、こんなに元気なんだから…くしゅっ!…うー。」
ぐしぐしと鼻の下を指で擦る。
それを見た狭霧は、やはり、と言った顔で靖胤を見る。
その視線に気付いた靖胤は、些か気まずそうに目を逸らし、視線を己の爪先へと落とす。
ふいに、靖胤の首にふわりと柔らかい感触が。
横を見ると、狭霧がマフラーを自分の首にも巻いているところであった。
つまりは、一本のマフラーを二人で巻いている、という状況。
上手く巻けた事に満足した狭霧は、靖胤の手を引いて縁側から飛び降りると走り出した。
「さ、狭霧っ!どこ行くのっ?」
「…上手にできたからっ、えみるさんに見せに行くのっ」
「えっ、えみるさんきっと今は仕事中だよ邪魔しちゃ駄目なんだよっ?」
「じゃまじゃないもんっ!見せるだけっ」
二人は元気に走りながら庭を駆けていく。途中、何人か家臣やら女中に声を掛けられたが、立ち止まる事無く一言、元気に返事を返して走り抜けた。
やがて厨房のある部屋の前に辿り着くと、靴を脱いで縁側に上がった。無論、靴を揃える事も忘れない。
「えみるさんっ!いるっ!?」
狭霧が元気に戸を開ける。
中には十数人の人がいて、丁度昼食を作っているところであった。
その内の一人が、二人に気付いてパタパタと駆けて来た。
長い黒髪に、大人びているが可愛らしい顔には雀斑。
「えみるさん」と呼ばれた女性である。
「はーいはい、いるわよ。どうしたの?」
まだ幼い二人に視線を合わせるようにしゃがみ、にっこりと首を傾げる。
「見てこれっ!じょーずに巻けたんだよっ」
狭霧がマフラーの端を掴み笑う。
「あらまあっ、これ、狭霧くんがやったの?すごいじゃない!」
笑美瑠がまたにこりと笑い狭霧の頭を撫でる。
それを見た靖胤は、ちょっとむすりとしたような顔で、
「……おれだってできるもん。」
「…ふふー♪「しっと」しなくても大丈夫だよ、靖。」
「し、嫉妬!?ち、違うよっ!おれそんなことしてないもん!っていうかどこで覚えたのさその言葉っ!」
「あらあら?靖胤くん?も・し・か・し・て、私の事が好きなのかしら~?」
二人にそう言われた靖胤は真っ赤になり、
「ち、ちちち、違うもん!好きじゃないもん!お、おれ、好きな人なんていないもんっ!」
必死に両手を左右に振り、首も左右に振り、わたわたしている。
「あっははは~!顔が赤いぞっ少年!」
がしっ、と。笑美瑠が靖胤の事を抱きしめる。
「Σみ、みゃぁーーーー!?」
すると、真っ赤だった靖胤が更に赤くなり、尾を踏まれた子猫のような声を上げるとマフラーから抜け出し厨房から飛び出して行った。
「ふっふっふ…、…若いな、少年!」
笑美瑠は顎に手を当て、にやりと笑みを浮かべ言った。
「……?…ふっふっふー、…わかいな、しょーねん!?…あってる!?」
笑美瑠の発言を首を傾げて聞いていた狭霧だが、腰に両手を当て仁王立ちすると、疑問系ながらも真似をして笑った。
それを聞いた笑美瑠はまた笑った。

一方その頃靖胤は…

「ふぇぇ、違うもんっ!好きじゃないんだもん!……お父さんっ!おれの話、聞いてるの!?」
「ふぇ!?き、聞いてるよ!?」(本を読んでいた)
「………本当に?」
じとー
「ほ、ほんとーだよー。…父を信じなさい、靖胤。(キリッ)」
「無理っ!」
ガビーーン!
「……むっ、…無理、って…!」
ぱたり
「あ、あれ?お父さん?お父さんっ?……………ぶっ倒れちゃった、けど…まあ、いっか。…もーっ、お父さんったら本当に役立たずの盆暗野郎なんだからーっ!お母さんのとこ行こーっと!」

…父を沈めていましたとさ。

終わり。

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