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SilverRainの水忌・風魔(b32238)と葛葉・狭霧(b58633)のブログです。 このキャラ2人が日常会話や日記を綴る、というコンセプトなのでその辺よろしくお願いします。                                                                          +*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+* このサイトに掲載されている作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。  イラストの使用権は私(管理人)に、著作権は『寛斎タケル氏』『悠貴氏』『濃茶氏』に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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※靖胤が小さい頃の両親の話。


——幸せそうに笑う夫
——無邪気に笑う吾が子
——とても幸せ。これ以上の幸せは無いってぐらいに。
……でも、夫は子供に夢中で私の事なんて見てくれないわ。
だからちょっとだけこの子が嫌い。
けれど、それ以上にこの子を愛している。
………やっぱり私は性格が悪いのね。自分の子供に嫉妬するなんて。
この性格の悪さがこの子に遺伝してなきゃ良いのだけど。



「靖胤ー、おはようーー
「……うー?」
「きゃー可愛いーーーっ
……頬を染めて我が子に朝の挨拶をする我が夫。
まだうとうとしている靖胤を抱き上げて頬擦りしている。
一応これでも千年の歴史を持つ一族の当主だったりする。
さらには容姿端麗・頭脳明晰・超一流符術士という完璧人間だったりする。
(こんな姿を見たら、皆は何て言うのでしょうね…)
呆れるしかない。
こんな夫に、そしてこんな夫を愛した私自身に。
けれどもその反面、こんな姿を見れるのは私だけ、という優越感もあったりするのです。
「見て、見てよ葉月!私の手を握り返してくれるんだ。これってお父さんって思われてる?可愛いなぁ」
「あらあら?貴方も可愛いわよ?」
途端に顔が赤くなり、子供をあやしていた手が止まる。
「わ、私は男なんだ…。可愛いよりも格好良い、とか素敵、の方が良いな。」
「はいはい。でも事実なんだからしょうがないわよねぇ…。はい、コレ。」
私は夫の傍に歩み寄るとその髪に『ある物』を付けた。
「……え?これは、何だろう?」
「これ?これはね、髪飾り。」
「…髪飾り?」
「そう。貴方は綺麗だから似合うわよ、きっと」
「むぅ、だからそれをやめて欲しいんだって。」
拗ねたようにしながらも、嬉しそうにしているのがよく分かる。
そしてその髪飾りの形を確かめようと手を伸ばし、触れて——・・・
そこで夫の動きは止まった。
首をぎこちない動作でこちらへ向けると、予想通り、引きつった笑みを浮かべていた。
「これ……何?」
「あら、さっきも言ったでしょう?髪飾りよ。」
「そ、そうじゃなくて……。これ、何の形?」
私はにっこりと笑みを浮かべてただ一言、
「蝶」
…面白い位に夫の顔は蒼くなっていく。
「だーいじょうぶ。作り物よ、だって髪飾りだもの」
「そ、そうだよな。あー良かった、標本とかだったら死……」
ひらひら、パタパタ
蝶が舞い上がった。
「あ、ゴメンね。生きてた」
「う、うわぁあーーん!」
「Σ!?」
「ああ、ほらあなた。靖胤が吃驚してるわよ」
「だって、だってだって、蝶うわぁぁーん!」
「…ふ、ふぇ……」
(あーあ、靖胤まで泣いちゃったじゃない…。)
夫がこの世で唯一苦手とするもの。
それは蝶と蛾だ。
生理的に嫌なんだって、変わってるね。
その証拠にホラ、夫も泣いちゃってるし。
「葉月のばかーーー!私がこういうの嫌いなの知っているだろう!?」
部屋の隅で、体育座りのような体勢で怯えている。
手には符を持っている。
「まさか燃やすつもりなの?可哀相だわ。」
「だ、だってだって、いぎゃーこっち来たーーーー!!」
「ほいっと。」
私ははっしとそれを手で掴むと夫の眼前へ差し出し、
「ほら、もう捕まえたから、怖くないでしょう?」
「ヒッ!?怖い怖い怖い!それを私に近づけないでおくれ!」
もう、完璧に怯えちゃってるわね、面白いくらいに。
私は襖を開け縁側で蝶を離してあげると手を振った。
もう捕まるんじゃないわよー。
部屋に入ると夫が必死に子供をあやしていた。
「ふぇーん」
「ご、ごめんよ靖胤ー!お父さんちょっと騒ぎすぎちゃったよね」
「もう、貸してごらんなさい」
夫の手から靖胤を奪い、胸に優しく抱いて優しい言葉をかけてあげるとすぐに大人しくなった。
「ほら、こうやってするものよ。」
「さすが母は違うなー」
「ふふ、まだまだね」
……ああ、何と可愛い親子なのだろう。
顔もそっくりだし。
性格は……まだ分からないけどね。
できれば性格もお父さんに似て欲しいなぁ、なんて。
そうしたら私に似たところなんて何一つ無くて、私が寂しいのだけど。
靖胤、お願いだから良い子に育つのよ。
私みたいに捻くれ性悪にならないでね。
「?…どうした、葉月?」
「何でもないわよ、さあ、皆で朝ごはん食べましょう?」



~4年後~
「うーん、靖胤。お前は将来絶対美人になるぞー、……お父さんに似て。なーんて」
「お父さん、僕ね、美人にならないよ」
「どうして?」
「だって僕は格好良くなるんだもん」
「?」
「お父さんよりも絶対に格好良くなるよ、僕。」
「え、それはどういう……」
「だってお父さんかっこよくないもん。女の人みたいだもん」
「Σ!!」(グサッ)
「お母さんの方が格好良かったよ。僕、写真見たんだ、この間。」
「……性格はお母さん似だな。かわいくない……」
「でも、お父さん似なんだよね、僕」
「…そうだよ。顔なんて私とそっくりだ」
「えー、じゃあ僕も将来そんな顔になっちゃうのー!?」
「Σそ、…んな、顔って……」(ガクリ)
「あっ、狭霧が泣いてるよ、お父さん!早く行かなきゃ!」
「……ううっ、やっぱ性格はお母さんそっくりだなぁ……」


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