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SilverRainの水忌・風魔(b32238)と葛葉・狭霧(b58633)のブログです。 このキャラ2人が日常会話や日記を綴る、というコンセプトなのでその辺よろしくお願いします。                                                                          +*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+* このサイトに掲載されている作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。  イラストの使用権は私(管理人)に、著作権は『寛斎タケル氏』『悠貴氏』『濃茶氏』に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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 只の気まぐれだった。

 そう、只の、気まぐれ。

 何も意図など無かった。

 理由など無かった。

 それなのに。

 嗚呼、それなのに。

 アンタは俺にとって、なくてはならない存在となった。

 『かけがえのない存在』と呼ばれるものになった。

 アンタが欠けた世界なんて、考えられなかった。

 俺には、唯一人、アンタだけが居てくれればそれで良かった。
 
 それなのに。

 嗚呼、ああ、それなのに。

 俺の世界には唯一人、貴女だけが居ない。




 「そんな顔をしていると、また怒られるぞ。『彼女』に。」
 俺の隣に立つ男___幼馴染の葛葉・狭霧が、言う。周りに居た家臣団は、暗黙の了解をいとも容易く破ったこの発言にぎょっとした。
 「・・・自分の顔なんて、知るかよ。見えるわけ無いだろ、鏡を寄越せ。」
 俺は、口数が少なく無表情で、心配性なこの兄弟分に、笑って見せた。(巧く笑えたかな)

 彼らの間では、俺に対して『彼女』の話題を持ちかける事は禁忌とされ、「暗黙の了解」となっているらしい。
 それは、彼女がこの世界から居なくなった、あの日から。
 俺は何度も、もう気にしていない、気を使う事はない、と言ってはいるものの、彼らの「暗黙の了解」とやらが消える事は決して無かった。
 それはやはり、その時の俺の顔が鏡のように、本心を映し出していたからだろうか。
 
 
 
 俺という人間はそんなに強くも無ければ、嘘をつくのが好きという訳でもない。
 その時は自分の本心を、何時ものように上手く隠す事が出来なかったのだろう。人間は、絶望や、生命の危機の中では、正直になる生物だ。俺とてこのような常人とは違う力を持っていても、所詮は人間だ。『彼女』を失ったという絶望の中では、「正直になること」しかできなかった。
 
 「本当は」嘘をつくことが嫌いなのに。
 「本当は」『彼女』と一緒に消えてしまいたかったのに。
 「本当は」こんな時に笑いたくないのに。

 嘘なんて、つけなかった。
 
 ・・・あの時の俺は、巧く笑えていただろうか?___否、出来なかった。
 ・・・上手に、嘘をつけたかな?___いいや、お前は嘘なんてつけないんだよ。

 情けなかった。
 当主である自分が、心配されて、気を使われて、腫れ物扱いされて。
 情けなかった。
 年上である自分が、年下の幼馴染に諭され、慰められ、そしてその事に腹を立て声を荒げ。
 情けなかった。
 誰よりも近くに居た自分が、『彼女』を守る事が出来ず、その崩れ落ちる身体を抱き支える事さえできず、笑顔で別れを告げることもできず。
 ・・・・・強く、なりたかった。

 

 
 自分の拳を血が出る程に強く握り締め、唇を咬む俺を、狭霧は相変わらず無表情で見つめた。
 やがて何も言わずに、俺の肩に手を置き、
 
 ポン、ポン、
 
 ・・・それはとても、懐かしい感触。
 『彼女』との、温かい記憶。
 落ち込んでいるときや、悩んでいるとき。
 何時も『彼女』は
 そうして、
 優しく、
 俺を、
 慰めて、
 笑って、
 こう、
 俺に、
 言った、

 『どんな時も笑ってる事だけが、いいってわけじゃないの。悲しい時には、泣いて、』

 その、続きは、

 『辛い時には、・・・そうね。何がいいかしら。・・・・・・そう!私に言いなさい!こうやって、慰めてあげるから!』

 そう笑って、俺を、優しく抱きしめた。
 その、ぬくもりを。
 大切な記憶を。
 何故俺は忘れていたんだろう。
 馬鹿だ。本当に。どうしようもない、馬鹿だ。

 前に進み出て、そっと、手を添えた。・・・彼女がかつて俺にしたように。 
 「・・・・・・俺、凄い、辛かったよ。アンタがいないってだけで。」
 冷たく、黒い石となって、土の中で眠る貴女はもう何も言わないけど。
 ふわり、と。
 暖かい何かに包まれた気がした。
 その瞬間、熱い何かが込み上げてきて、俺の視界はまるで、海の中にいるかの如く。
 けれどもそれは、悲しみではなかった。
 「でも、今は、」
 俺の言葉はそこで途切れた。
 言葉なんて要らない気がした。
 
 「有り難う、狭霧。・・・・・俺、何か、忘れてたんだな、きっと。」
 俺は、口数が少なく無表情で、心配性なこの兄弟分に、笑って見せた。(有り難う、心から)
 今度は、綺麗に笑えた。
 そう、確信した。
 
 俺達の頭上では、太陽が、笑っていた。






*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
何これ超恥ずかしい


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