SilverRainの水忌・風魔(b32238)と葛葉・狭霧(b58633)のブログです。
このキャラ2人が日常会話や日記を綴る、というコンセプトなのでその辺よろしくお願いします。 +*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
このサイトに掲載されている作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。
イラストの使用権は私(管理人)に、著作権は『寛斎タケル氏』『悠貴氏』『濃茶氏』に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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父よ、
私は間違っていましたか。
父よ、
あなたは幸せでしたか。
†§†§†§†§†§†§†
狭霧(と、その周辺)のお話。
超暗いです。
纏まり無いです。
繋がりが分かり辛いです。
寧ろ短編集と思った方が良いです。
そして残酷表現ややグロ表現アリです。
ひたすら淡々とした文章です。
退屈かもしれません。
ちなみに、狭霧の父と靖胤の父の関係は純粋な友情です。
ホモっつった奴は土下座しろ(ちょw)
†§†§†§†§†§†§†
一人の幼い少年が、両親と思われる男女に囲まれ、顔全体で笑みを作っている。
それはそれは幸せそうに。
『…おとーさん、…おかーさん、…ぼく、すごくたのしいんだ』
『あら…?どうしてかしら…?』
『だって、だってね、…ぼく、みんなといると、すっごくうれしくなるんだよ』
『…そう、私達も同じよ…。…あなたといると、とても楽しいのよ…、清良(きよら)様もそうでしょう…?』
『ほんと?おとーさんもそう思う?』
男は穏やかに微笑み、我が子を抱き上げた。
『…勿論。お前が居てくれるだけで…それだけで、私達は幸せなのだよ。…狭霧、我らが愛しい子。』
『……うんっ!』
僕は泣かなかった。
その光景を目の当たりにしても、泣かなかった。
ただ、布が取り払われ、依頼人とやらの目の前にソレが晒された時だけ、微かに目を伏せた。
けど、それも一瞬。
すぐに視線を戻し乾ききった瞳で以って、その光景を焼き付けんとばかりにただ只管に見つめた。
僕の視線の先にあったもの。
お父さんの、首だけが、
やけに穏やかで、安らかな顔で、
掛け替えの無い友の名誉を守り、自らの誇りを貫き、
その顔は、ただただ安らかで、
そんな素晴らしい父に触れる依頼人とやらが許せなかった。
許せなくて、何よりも憎くて、
(……僕は間違ってない。
これは復讐じゃないよ。
ただ、何もしないで忘れてしまったら、
お父さんが命を掛けて守った誇りも、
みんなみんな埃に埋もれて、汚れてしまうでしょう?
僕は、それを防ぐだけ。
誇りを守ろうとしているだけ。
だから、ぼくは、
何も間違ったことなんてしてないんだ。
君もそう思うよね?
ねぇ、靖。)
「僕は間違ってる?」
…君は苦しそうな顔で僕を見るだけ。
その白銀の瞳から、涙が零れるのが見えた。
「どうして泣くの?僕は訊いているだけでしょう?」
「___...っ...め、____...よっ!」
「なぁに?何て言ってるのか分かんないよ…」
「…だめだっ…!…そういう事、しちゃ、駄、目…なんだよっ…!」
僕は靖胤の首から手を離した。
一気に酸素を吸った靖胤は、勢い良く咽る。
「…どうして、駄目なの?」
「…駄目っ、なんだ…よ…!」
彼は咽つつも苦しげに、一言一句吐き出すように話す。
「…分からないよ…、…理由になってないよ…。
…じゃあ、あの人たちは良いのかな?
あの人たちなら、誰かを殺しても許されるのかな?
どうして、僕は駄目なのかな?」
「違うよ!あの人たちだって駄目なんだ…、…駄目だけど…」
「じゃあ悪い人たちだね。悪い人なら良いよね、…死刑、だよね。」
「駄目だってば!狭霧はそんなことしたら駄目だよ!」
靖胤は泣きながら僕の肩をつかみ、悲痛に叫ぶ。
対する僕は、全くの無表情で、ただ静かに答える。
頭の中は、仇討ちの事でいっぱいだった。
どうやって殺すのが良いんだろう?
どうやれば苦しいかな?
「…どうしようかな。」
「お願いだからやめてよ狭霧…!…狭霧にはもう苦しんで欲しくないから…!」
「苦しむ苦しまないじゃないよ。
……僕がやらなくて、どうするの?
もう、僕しか居ないんだよ?
皆、もういないんだ。殺されたんだ。
他に、誰がやるっていうの?」
「そ、それは…」
呟き、俯く。
ほら、そうでしょ?みんな、そう言われると言い返せなくなるんだ。
君だって___...
「___俺がやる。」
「…え?」
顔を上げた靖胤は、もう泣いていなかった。
ただ、生気の無い微笑を浮かべていた。
「俺がやるから、狭霧。…大丈夫だよ。」
「__や、す、…?」
「…大事な弟を護る為なら何でもする、…それが、兄の役目だから。」
__もう、今までの無邪気でしっかり者の兄は、そこにはいなかった。
…彼は、非の打ち所の無い微笑を、僕に向けた。
「…だから、お兄ちゃんが、やってあげる。」
…違う。
確かに彼はいつも微笑んでいたけども。
こんな気持ちの悪い微笑みは見たことが無かった。
嗚呼、僕が殺してしまったんだ。
今までの優しい彼を、僕が。
殺してしまった。
…確かに、彼の言うとおりだった。
殺してはいけなかった。
激しく、後悔した。
僕の幼い身体は、罪悪感に押し潰されそうになった。
僕は、悪い子だ。
夢を見た。
遠い日の夢を見た。
信じられないような悪夢だった。
でも、それは紛れも無い事実だった。
私の、確かな過去だった。
……
泣いている。
燃え盛る炎の中で。
彼の少年が泣いている。
広い西洋屋敷は燃えている。
赤い火柱を上げ、全身は赤く輝いて。
両親は寝ている。
兄と妹も、同じように寝ている。
ただ、状態に差はあったけど。
『…鞠亜、…鞠亜…、』
妹は、まだ赤子も同然の子。
やっと立てるようになったばかりの、可愛い子。
いつも少年を見上げていた、何も知らないあどけない顔。
今もあどけない顔で眠っている。
でも、もう少年を見上げることはないし、無邪気に笑うこともない。
延髄を、綺麗に斬られている。
白い骨まで見えた。
小さな身体から、大量の血が流れている。
『……悠吏にいさん…、…悠吏にいさんまで…どうして…?』
兄は、とても優しい人。
身体が弱く、いつもベッドの上にいて、少年に向けた、暖かく柔らかい微笑み。
今も穏やかな顔で眠っている。
でも、もう少年に瞳を向けることはないし、微笑みかけることもない。
右腕が根元から切り落とされていて、薄い脂肪、筋肉の切れた筋、骨が見える。
腹が割かれていて、血色に染まった小腸の、綺麗な表面が見える。
腕はレイピアを握ったまま転がっている。
『…母上、母上……、…おかーさん…、…ねぇ、…本当に…?…本当なの…?』
母は、穏やかで、美しい人。
いつもいつでも、少年を愛し。
少年もまた、母を愛し。
細く白い指先が、頬を優しく包み込む度に少年は、自分はこの世に存在して良いと認められたのだと、そう感じた。
今も、細い指は白く綺麗なままだ。
でも、もう少年に触れることはないし、少年が母の愛を感じることもない。
椅子の肘掛に凭れ掛かるようにして、床に座っていた。
その白い頬を、緩やかな曲線を描く胸を、赤い血が伝い、染めていた。
母の白い肌に、赤は良く映えると少年は思った。
そして…
『……お父、さ、ん……』
父は、まだ生きていた。
椅子に座っていた。
いつものように、長い足を組み、肘掛に腕を乗せて。
誇り高き、ヴァンパイアの一族である、葛葉の頂点。
紛れも無い純血種であり、一族の長きを統べる支配者。
その長たる威厳を失わぬように。
その王のすぐ目の前に立つのは、この世の者とは思えぬほどの美貌。
凄艶にして、清婉。
まさに男のものである身長に、まさに女のものである顔。
背で緩く三つ編にされている長い長い灰色がかった銀髪は、炎の朱を反射し、何とも美しい。
その者の右手には、しかと日本刀が握られていた。
『……我が盟友よ…。……何を躊躇っている、君らしくも無い…』
王が、口を開いた。
『…嗚呼、…嗚呼…、…分かっているさ、友よ…。…しかし、私は、私は…、君を斬りたくはないのだ…』
男が、応えた。
その頬を、つぅ、と、涙が伝うのが少年にも見える。
その男は泣いていた。
少年の愛する妹を、兄を、母を、…そして、他の同胞たちをも、無情にも斬り捨てたその男は、泣いていた。
鬼の目にも涙。
そんな言葉が少年の脳裏に浮かぶ。
その可哀相な鬼は、両手を友の頬へ添えた。
右手から離れた赤く染まった蒼い刀は、床に触れた瞬間、その刃から朱を散らした。
酷く無機質な音が、高く響いた。
『……これしか、…やるしか…、他に方法は…、…本当に…無いのか?』
男は、喉の奥から搾り出すように、ようやくといったように、言の葉を紡いだ。
王__葛葉清良は、俯いた男の手に己の手を重ねた。
そのまま、俯く男に向かって至極穏やかな笑みを浮かべ、
『…綾人。……さぁ。君の手で、私を、送ってくおれ…』
その声に反応し、綾人と呼ばれた男は軋む扉を抉じ開けるかのようなぎこちない動作で顔を上げた。
やはり、その瞳からは涙が溢れている。
溢れ出た涙は、綾人の白い頬を伝い、重力に引かれるままに宙へと放たれた。
その涙もやがて床と衝突し、染みだけを残した。
綾人は、そっと盟友の手を外すと、床に点々と残る染み__...
そのすぐ傍に転がる刀に、ゆっくりと右手を伸ばした。
…もう離さない、もう迷わない、という意思の表れのように、しっかりと柄を握る。
そして左手で涙を拭うと、正面から清良の顔を見据え。
清良もまた、しかと盟友の顔を見据え。
清良が、ほんの僅かに残る綾人の迷いを消すように、告げた。
『…どうやら、私も長く生きすぎたかな。そろそろ眠りについても良い刻限だ。
……さて、夜が明けてしまう前に、君の手で、私を眠らせておくれ…。』
綾人が、刃を清良の首筋へと宛てた。
『…うん、…お休み、清良。お疲れ。有難う。…愛してる。』
ひとたび大きく斜め上に振り上げ、一気に振り下ろした。
首が落ちる。
血が噴き出す。
身体が揺らぐ。
それでも、首はまだ生きていた。
穏やかな微笑を浮かべて、口の動きのみで語りだす。
ありがとう
静かに瞳を閉じ、さらに続ける。
わたしは、しあわせだ
それきり口は動かなくなり、元々白い肌がさらに色を失っていった。
かくん、と
綾人の膝が折れ、まるで倒れ込むかのような勢いで膝をついた。
震える手を何とか動かし、そっと清良の首に手を添え、
『……私も、すぐにそっちに行くから…。…待ってて、ね。』
掠れた声は、燃え盛る炎に掻き消された。
しかし、確かに、友には届いた気がした。
___少年はただ、音も無く、呆然とその光景に見入っていた。
……
___嫌な、夢を見た。
此処最近は、全く見なかった夢。
全身を濡らす汗と、それによって額に張り付いた前髪が、さらに不快感を煽る。
私は布団から出ると、汗で濡れた白いシャツをその場に脱ぎ捨て、どうせ誰にも見られることは無いだろうと思いスラックス一つでそのまま庭に出た。
汗ばむ身体に、冷たい空気が染み渡る。
だが、何故か寒いとは感じなかった。
寝起きだからだろうか、それとも悪夢を見た所為であろうか、…どうにもふらふらとしてしまう体を何とか支えつつ、井戸へと辿り着く。
そして何の躊躇いも無く水を被る。
身体とともに頭も冷え、そこでようやく「寒い」と感じた。
…と同時に、人の気配に気付く。
このような時間にこの屋敷に入る者を、私は一人しか知らない。
「…何、やってんだよ、狭霧…。…風邪引くぞ?」
顔を上げると、少し離れた所に、黒いやや奇抜なデザインの和服を身に纏った者が立っていた。
「…靖、」
私が名を口にすると、彼は口当てを外し人の良さそうな笑みを浮かべ、
「よっ、こんな夜中に水垢離か?物好きだな、お前も」
そう言いつつ近付いて来た。
…きっと、彼は気付いている。私が何故このような事をしているのか。
「…お前は、…仕事、か?」
私は目をあわさずに尋ねた。
実際には問わずとも答えは分かっていたのだが。
なにより、視界の端に移る黒装束の裾、其処に付着した赤が答えを語っていた。
「……ん、まあな。…悪ィな、これ、気になるだろ?」
彼は袴を抓むようにして持つと、ひらひらとはためかせて裾の赤を示した。
顔は、相変わらず笑みを形作っている。
…そう、彼の仕事は*を**こと。
その元凶はまさしく過去の私。
彼はそんなことは無いと全力で拒否するのだろうが、紛れも無い事実だった。
「…いや、気にはならない。……怪我は、無いか?」
「ん?あるわけないだろ、昔から心配性だな、狭霧は。」
そう言って、また笑う。
何時でも笑う。
彼は、笑わないことを忘れたかのように、微笑む。
そうさせたのは、私。
私にそうさせるに至らせたのは、憎悪。
罪が憎悪を生み、
憎悪が罪を生んだ。
これは、抜け出せない負の連鎖。
消えることは無い、罪。
罪を犯した私は負の鎖によって縛り付けられ、罪を背負って生きていく。
「…狭霧…?……大丈夫か?…眠れないなら、俺も付き合うぞ…?」
…彼の優しさが、私の罪を際立たせる。
どんどん、重くなる身体。
それでも、道端で休む事は許されず。
何時か私も眠りに就く日を夢見て。
それまではせめてもの罪滅ぼしに、彼を護り続けよう。
なればこそ彼の障害となる者は全て、引き裂いてやろう。
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