SilverRainの水忌・風魔(b32238)と葛葉・狭霧(b58633)のブログです。
このキャラ2人が日常会話や日記を綴る、というコンセプトなのでその辺よろしくお願いします。 +*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
このサイトに掲載されている作品は、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、作成を依頼したものです。
イラストの使用権は私(管理人)に、著作権は『寛斎タケル氏』『悠貴氏』『濃茶氏』に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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___水忌 風魔は考えた。
美しき双眸に戸惑いの色をうつし。
スと描かれたように整った目を半眼にして。
白磁の肌には冷や汗一つ。
目の前には、今日目出度く誕生日を迎えた友人…が、ケーキに顔面を突っ込んで息絶えている姿。
その隣には、その友人を祝おうと風魔と共に来ていた弟(分)…が、実は犯人なのだが優雅にミルクティーを飲んでいる姿。
___何故、何故俺は此処に居る___
___何故、 ど う し て こ う な っ た し ___!
知らず知らず、風魔は右手を上げていた。
…そう、店員を呼ぶ為に。
そして、やや青い顔で「はい、ご注文ですか?」と引き攣った笑みを浮かべる店員に向けて一言。
「このケーキ、とても美味しいですね。__テイクアウト、できますか?」
にっこり。
それはもうにっこりと。
男女問わず店員が立眩みを起こしそうなほど美しい笑みで。
___要するに、この状況から目を逸らしたのだ。
もっと簡単に言うと、現実逃避__無視を決め込んだ。
3月3日は(ry)
~狭霧様は変態忍者がお嫌いでしてよ~
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
「…ええと…、つ、次逝k__行くかっ、な!…あ、あは、あははは!」
…おかしいな、冷や汗が止まらない。
周囲の変なものを見る目が痛い。嗚呼、痛い。やめて。俺は悪くない。
知らない。俺は知らない。
足元で蹲る今日が誕生日なのに哀れな男なんて、知らない。俺は関係ない。
__そう、俺は関係ない「おい、靖。」んだ。
だから、さ、皆。
俺を変な目で見「…靖胤、」るのは間違ってる。嗚呼、そうだとも。俺は正常だ。間違って無い、大丈夫。
…くそっ、なんてこった。オラとした事がみんなの負のオーラに負けちま「…靖t……お兄ちゃん」いそうだ。
みんなー!オラに元気を(ついでに勇気とかその辺も)分けてくれー!
「おい、聞いているのか水忌 風魔。」
「えっ、あ、聞いてませんでしたすみませんでした許してください…」
「………」
「………いや、あの、これ見よがしに溜息を吐くな__っていうか溜息吐きたいのは俺だよもう!…で、何か用?」
「…何か用?ではない。…次に行こうと言っていたのはお前だろう…。」
「ん?ああ、そうだったな。じゃあ行くk……狭霧。その右手のモノをどうにかしなさい。」
「え、…いや、しかし…。…此処に置いておくわけにもいかんだろう?」
そう言って、右手のモノを軽く上に上げて示す。
…ずるり、と効果音が付きそうな位、重い物を片手で持ち上げるなんて、こういう所も矢張りヴァンパイアなんだと思う。
……て、感心してる場合じゃないよ、俺。アレどうすんの?ねぇ、どうすんのアレ。ずっと持って行くの?ずっと引っ張っていくの?引き摺っていくの?誰が?狭霧が?いやいや、あんな純粋な顔してる子にそんな事させられないだろ、保護者兼主兼兄として。何、じゃあ俺が持って行くの?いや、無理でしょJK(常識的に考えて)。無理無理。絶対無理だから。俺そんなに筋力無いし、ランクで表したら筋力Dとかだよきっと。確かにおかしい長さの刀振り回してっけど、アレはアレ。これはこれ。っていうかそれ以前にあんな視線に耐えられない。ストレス溜まり過ぎてぶっ倒れる。うさぎのように。っていうか現時点でもう駄目。うわぁぁ死ぬ死ぬ助けてドラえもんんんんん!!!!
「…あっ…、…悟りが開けそう…」
「…や、靖胤…?」
「え、ああ、いやいや何でも無い。今ちょっと違う世界に逝きかけた。」
「…そ、そうか…。……それで、こいつをどうすれば良いんだ…?」
「あ、ぁう…ん…。…起こそっか」
「ん。それじゃ__」
「まっ、待って__...待った!普通に優しく起こしてやれよ!」
それじゃ、と蹴るモーションに入った狭霧を必死の思いで止める。
さすがにそれは可哀想だ。誕生日なのにとかじゃなく、人間として。
やや不満げな表情で俺を見る狭霧に苦笑を向け、代わりに俺がやると言う意思を伝える。
わざわざお前がやらなくても、と呟いていたが俺から言わせてもらえば、俺がやらずに誰がやる、と言った方が正しいのではないだろうか。狭霧の晴明に対する「優しく」は、往復ビンタとかだと思う。
ともかく、狭霧に晴明は任せられん。友として、兄として。
「…おい、晴明。…晴明、生きてる?こんな所で寝ていては駄目だ。起きろ。」
店内のベンチに晴明を座らせ、その隣に俺も座り顔を覗きこむように話しかけてみる。
何故かは分からないが狭霧の視線がさらに険しくなった気がする。…な、何で。
…それにしても、返事が無い。ただのしかばn(ry)
なんて、縁起の悪いフレーズまで浮かんでしまった。
というか、これ、生きてるのか?
力無く俯く晴明の額に手を当て、押し上げるようにして上を向かせる。そのまま晴明の鼻に俺の頬を近付けて……、…嗚呼良かった、呼吸はしてる。
…っていうか、ちょっ、あいたっ、いたたたたっ、
視線がッ狭霧の視線が痛いッ!だ、だから何でッ
「…靖…!」
「Σは、はい…!?な、何でしょうか…!?」
恐怖のあまり、項垂れている晴明に抱き付いてしまった。我ながらきもいことしたと思う。
その証拠に狭霧が、ほら、もっと機嫌が悪く___
「…お、お前に男としてのプライドは無いのか…!?」
「…………えっ」
「………いや、今のは忘れてくれ…」
「?…??…う、うむ。構わぬが…」
…おっと、思考が付いていけずに思わず口調が変わってしまった。
頭が痛いとばかりに額に手を当て俺の隣に座る狭霧を、ぽかんと見つめる。
……お、男としてのプライド??…どう言う意味だ…。
…まさか、さっき、俺は内股だったりしたのだろうか。(違います)
「あー、ほんと何なんだろ…」
「本当に鈍いな靖胤は」
「むっ、俺の何処が鈍___って、晴明!気が付いたか!」
「ああ、たった今。…それで、…俺は何で気絶してたんだ?」
「……………え?」
「いや、え?ではなくて。…俺は何故此処で倒れていたんだ?」
目覚めて早々、俺に詰め寄る晴明に何と言ったら良いものか分からず困惑していると、
「…それは私から説明しよう。」
狭霧が助け舟を出してくれた。
…いやまて、元凶は狭霧だ。全然助け舟じゃない。
狭霧は腕組みをしつつ淡々と嘘八百を並べていく。
「__というわけで、だ…。…貴殿は、いきなり気絶してしまってね…。…ああ、私達も大層驚いたものだがね。」
「そ、そうだったのでござるか!?…それは忝いでござる…!」
「…いや、すぐに気付けなかった私達も悪かった。…な、靖…?」
ギラリ
「ソウデスネ。」
「…え、靖胤…何で片言…」
「気にするな。そう言う事もあるさ…」
「…そ、そうでござるか…」
「ああ、そうだとも。…それよりも、ああ、甘い物が食べたくは無いか…?」
「…え、…た、食べたいでござるな。」
「そうか。それならば丁度良かった。…此処の地下に、とてもおいしいケーキ屋があるのだが…どうだろうか?」
「それは是非ともいきたいでござるな!」
晴明の目が輝く。
その姿はとても少年のようで、これまた弟のように可愛かった。
…しかし…、…狭霧が良い笑顔なのが気になる…。
俺はやや警戒しつつ地下へと向かった。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
「いらっしゃいませー!何に致しますかぁ?」
女性店員の眩しい笑顔と、やけに甘ったるい苛々する話し方に迎えられた俺達は、とりあえずそれぞれ好きなケーキを選んで店内の席を確保した。
男3人でケーキ屋とか気にして無いし別に。…ほ、ほんとに気にしてないんだからぁっ!
テーブルを挟んで、俺の向かいに狭霧、その隣に晴明、という何とも奇妙な座席なのは、狭霧の策略だと思う。絶対。
絶対に策略に違いないのだが__...、どんな策略かはまだ分からないので、取り敢えずは気にせずスイーツ(笑)に集中する事にした。
まずは一口。ぱくり。
「…あ、すごくおいしい。」
「…だろう?…さぁ、晴明殿も食___...晴明殿?」
「え、あ、ああ、いや、何でもないでござる。では拙者も一口…。…ん、これは美味でござるな!」
…何故か俺を見ていた晴明は、狭霧に声を掛けられて慌てて目を逸らした。
…な、何だ何だ?俺、変な食い方したか?
まあ、いいか。とりあえず今は完食する事に専念して___
「…うむ、やはり。」
「…?晴明殿?」
「…ん?どした、晴明。」
フォークでケーキを小さく切り取って口に運ぼうとしていた所で、突然晴明が呟いた。
俺はフォークにケーキを乗せて、口をやや開いた状態で一瞬静止するという何とも阿呆な姿を見せてしまった。狭霧はというと、ミルクティーの入ったティーカップに手を伸ばそうとしていた所で首を傾げるようにして晴明を見、くそ、それさえも様になるから腹が立つのだ。
とまあそんな事は問題ではない。
真の問題は、この直後晴明が放った言葉である。
晴明は、やはりと呟いた後、じっと俺を見つめ、
「やはり靖胤は嬉しそうに甘い物を食べていると、女性らしさが上がって、さらに美しく見える。」
などと、「女性らしい」「美しい」という、俺が好まぬワードを2つも口にした。
当然、俺は怒る___わけだが、まあ、よくよく考えて見ると、こういう時に始めに怒るのって大体狭霧だったりするわけで。
今回も、例外ではなかった。
特に、今日は狭霧、何故か機嫌が悪かった。だから、怒り方も、いつもよりも酷くて。
「えっ」
「…あっ、さぎ__」
がっしと音が聞こえそうな勢いで、晴明の後頭部を押さえると、
「ボフォッッ!!?」
「__り、って、ああ、もう手遅れかー…」
そのまま思いっきりテーブルに押し付けた。否、寧ろ、叩き付けたといった方が正しい気もするので訂正しておこう。叩き付けたのだ。狭霧の目線はティーカップに注がれたままで、腕だけが動いていた。…無表情すぎる。
顔面は見事にケーキにINした。ガンッという鈍い音は気のせいだと信じたい。
そして、静寂が訪れて。
___冒頭に戻る。
*+*+*+*+*+*+*+*+*+*
時刻は午後の6時半頃。
此処は俺の部屋で、俺の布団には今晴明が寝ている。
…ケーキ屋でダウンした後、狭霧が責任を持って晴明をここまで運んだ。至極不満そうな顔で。…とは言っても、やはり俺でないと分からないぐらいの変化でしかなかったけど。
…何とか、今日中に起きてくれると良いんだけど。
そう思いつつ晴明の傍らで書類を片付けていく。
「…う、ん…。…こ、此処は…」
「お、目が覚めたか晴明。此処は俺の部屋だ。…どこか痛い所は無いか?」
「何で…お前の部屋に…。……ん?そういえば…、…鼻が凄く痛い…。」
「そ、そっか…。…じゃあ、治癒符使うから、ちょっと目ぇ閉じとけな」
「うむ」
一応、符を鼻に張るわけだから目は閉じさせて、治癒符を懐から取り出す。
符を晴明の顔の前で構え、小さく短く、呪を唱える。
茫、と発光する符を鼻へぺたり。
やや赤かった鼻が元の肌色へと変化していくにつれ、符の光が弱まっていく。
やがて鼻が完璧に治ったと見られた頃に、符はスッと消えた。空気に溶けるように、跡形も無く。
「…どうだ?良くなったろう?」
「ん、…むむ、ああ、完璧だ。有難う。」
「礼ならいらん。それよりも……、…今日が何の日か、覚えているか、晴明。」
「…今日?」
きょとん、と。
やや目を見開いて驚いたような顔を浮かべると、今度は眉根を寄せて考え始めた。
「__何だ、本当に分からないのか?」
「__雛祭り、でござるか?」
「おいおい、確かに間違ってはいないが…、…3月3日はもっと別にイベントがあるだろ?」
「3月3日__...あっ!」
「……やっと気付いたか、ばか。だから今日は連れ出したんだろ?」
「…それで、か…成程…」
何てこった、この男。本当に忘れていたらしい。呆れてしまう。
でも、まあ、気付いたから良しとしよう。
良しとして、祝おう。
「晴明、これ、__おめでとう、な。」
昼間買った衣服を渡す。実はあの後こっそりと、プレゼント用に包装して貰ったんだ。
晴明はやや驚いたような表情を浮かべながら、ゆっくりと受け取って、
「__ありがとうな!」
…とても清々しい笑顔を浮かべて礼を述べた。
こうしてみると、とてもじゃないが忍者だなんて思えない。もっと表の世界が似合いそうなものを。
ぼんやりそう考えていると、不意に部屋の襖が開かれた。
入ってきたのは、狭霧だった。
手には、小包。
無言で晴明の横まで来ると、ぴたりと立ち止まり、ささっと座った。
小包をこれもまた無言で突き出し、目も合わせず、
「…おめでとう。…と、……今日はすまなかった。」
と、小さく呟いた。
狭霧はいくら大人びて見えても、まだまだ子供なんだな、って思った。
思って、笑った。
晴明も、嬉しそうに礼を言いながら笑った。
狭霧はつんと横を向いているが、まあ満更でもないに違いない。
まったく、このツンデレめ。
「…狭霧殿。この小包、開いても良いでござるか?」
「…ああ、…どうぞ…」
「忝い」
そう笑顔を向けて小包を開ける。
そこには、やや小さめだが、高価そうな腕時計が入っていた。
晴明は静かにそれを手に取り、
「__ありがとう」
と、また繰り返した。
…まあ、晴明にとっては波乱万丈な一日だったろうけど、終わり良ければ全て良し、って事でさ。
良い誕生日だったんじゃないかなーって思う。
「…ところで、狭霧殿は何故謝ったのでござるか?それと、何故拙者は倒れて?」
「…………」
「…ま、まあ気にすんなよ。そう言う事もあるさ。」
「はあ、そうか?…どっかで聞いた事あるような台詞だなぁ…」
「…気のせいだよ、うん、気のせい気のせい。なっ、狭霧」
「そうだな、靖…」
「…???」
終われ。
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